ストーリーのないお菓子なんて、いらない。

こんにちは。
お菓子教室「ラトリエ・ドゥブルヴェ」
主宰の河田若葉です。

今日は、ちょっと問いかけるようなテーマでお話をしたいと思います。

「ストーリーのないお菓子って、必要ですか?」

私の答えは、迷わず NO です。

なぜなら、ただ甘いだけのお菓子には、
心を動かす力がないと思うからです。

ストーリーのないお菓子なんて、いらない。“選ばれるお菓子”に必要なこととは?

“欲求を満たすだけ”の甘いもの

ふと、「無性に甘いものが食べたい!」
という日ってありますよね。
頭も疲れていて、手っ取り早く
エネルギーが欲しい…。
そんな時についコンビニで甘いチョコレートや
お菓子を手に取ってしまう。

でも、それって本当の意味で“味わっている”とは言えない気がします。

むしろ、「アルコールだったら何でもいい」
というアル中の方に近いような…。
体が欲しているままに、ただ摂取するだけ。
血糖値を急上昇させてしまう甘いものには、
中毒性がありますものね。

一方で、“ストーリーのあるお菓子”は、
ただの糖分とは全く別物です。

その背景にある思い出、誰かとのつながり、
情景、そして気持ち——。
それらがあるからこそ、味覚だけでなく心まで
満たしてくれるんです。

焚火とスモアと、アメリカの思い出

先日、家族で軽井沢のに行ったときのこと。
義理の母のお誕生日をお祝いする旅だったのですが、
私が一番楽しみにしていたのは……
実は焚火でした。

火を見るのって、なんだか落ち着きますよね。
YouTubeでも“焚火を眺めるだけ”
の動画がありますが、あれ、妙に心に沁みたりして。

そんな焚火で私がどうしてもやりたかったのが、
「スモア」を作ることでした。

スモアとは?

スモア(s’more)は、アメリカやカナダで
キャンプファイヤーの定番となっているお菓子。
焼いたマシュマロをチョコレートと一緒に
クラッカーで挟んで食べる、
シンプルだけどとびきり楽しいデザートです。

“Some more!”(もっとちょうだい!)が語源
とも言われていて、
その名の通り、一口食べると止まらないおいしさ。

私がスモアを初めて食べたのは、
6歳の時、アメリカ・ニューヨークに引っ越した直後。

当時のアメリカのお菓子といえば、
真っ赤や真っ青に着色された
ショートニングのクリームが
絞られたパサパサのカップケーキ…
子どもでも「美味しくない」と感じるレベルでした。

だからこそ、母が作ってくれる手作りの
お菓子が何より嬉しかった。
特に、家庭で作るアメリカンスイーツの中で
いちばん簡単で、いちばんワクワクしたのが
このスモアだったんです。

スモアをめぐる小さなドラマ

子どもの誕生日会といえば、
アメリカではたいていバーベキュー。

シンプルにひき肉パティを焼いて
ポテトチップスと一緒にバンズに挟んだハンバーガー。

そしてデザートは……スモア!

串に刺したマシュマロを、
焚火でちょうどよく焦がす技術。
遠火では焦げず、強火だと真っ黒に燃えてしまう。
子どもたちは一生懸命、ベストな火加減を
見つけることに夢中になります。

表面がこんがり狐色になったら、
チョコレートをのせたグラハムクラッカーにのせて、
もう1枚でサンド。かぶりつくと、
トロッと溶けたマシュマロが飛び出して……
それはもう、最高の瞬間でした。

そして先日の軽井沢でも、
私が「マシュマロ買ってきたよ〜!」
「子どもの頃はね…」と話し始めると、
家族全員が自然と引き込まれていきました。

「マシュマロって、そんなに面白い食べ方があるの?」
「それやってみたい!」

スモアという体験に、
私のストーリーが加わることで、
その場に一体感が生まれるんですよね。

味としては決して“絶品”
というわけではないかもしれません。
大人になった私にとってはちょっと甘すぎ(笑)

でも、語りと体験を通して、
“心のごちそう”になる。
これこそが、「ストーリーのあるお菓子」
の力だと思うんです。

マシュマロを使ったタルトの作り方

とろこで、溶けたマシュマロとチョコレートの
組み合わせは今でも大好き。
大人でもおいしく食べれて
バナナとチョコレートと溶けたマシュマロが
絶品のタルトをYouTubeで紹介中です。
ご興味ある方はこちらの動画をぜひご覧ください!

動画の中でお伝えしている合言葉で
レシピもゲットできますよ(笑)

バナナとチョコレートのリュスティックタルト

ストーリーは万国共通のお菓子の魅力

お菓子には、その土地の文化や歴史、
風土がしっかりと根付いています。

  • 日本では、和菓子の練り切りが四季を表し、
    地域ごとの銘菓が「旅の記憶」として残ります。
  • フランス菓子でも、由来のあるお菓子がたくさんあります。

たとえば:

  • マドレーヌは巡礼の象徴とも言われる貝殻の形。
  • タルト・タタンは、姉妹がリンゴタルトをうっかり
    焦がしてしまった失敗から生まれた名作。
  • ガトー・ミゼラブルは、戦時中にバターが
    手に入らず、水でバタークリームを作ったことが由来。
    名前の意味は「惨めなケーキ」ですが、工夫と知恵が詰まった逸品です。

こうしたストーリーがあることで、お菓子はただの“甘いもの”ではなく、生きた記憶になるのです。

オリジナルのお菓子にもストーリーを

私が考案したお菓子の中にも、ストーリーを込めた作品があります。

アポロシリーズ

子どもの頃から大好きだった「明治アポロ」。
いちご×チョコレートは子供にとって
憧れの組み合わせ!
それをパティスリー仕様で表現したデザートです。

プチガトー“アポロ”

テリーヌ“アポロ”

ガトー・モンテカルロ

モナコの街・カジノで有名なモンテカルロで見た
大理石の建物とレッドカーペットにインスピレーションを受けたケーキ。

フランス菓子の「カジノ」にオマージュを捧げ、
ぐるぐる模様のロールを側面に張りつけたデザイン。
トップは赤いグラサージュと白い粉糖で
“セレブの街”を表現しています。

「このケーキには、どんな想いが
込められているの?」
そう聞かれたときに語れるストーリーがあると、
お菓子の価値がグッと高まります。

レッスンでも生徒さんに覚えてもらい
親しみを持ってもらえます。

まとめ:選ばれるお菓子には理由がある

お菓子は生きるために必要なものではないからこそ
“心を動かす何か”が必要だと思っています。

それが「ストーリー」。

  • どんなきっかけで生まれたのか
  • 誰と、どんな場面で食べたのか
  • どんな素材を使っているのか
  • 作り手の思いがどんなふうに詰まっているのか

そういった背景こそが、人を惹きつけ、
選ばれる理由になるのです。

予告:このテーマはシリーズになります!

今回のブログ記事は、
【選ばれるお菓子・選ばれるお教室】を
テーマにしたシリーズの第1回です。

次回以降は:

  • 見た目(デザイン)から伝わる印象
  • お菓子を通じて“伝える”レッスンの工夫
  • SNSや集客につながるストーリーの使い方

など、実際のお教室づくりにも役立つお話
続けてお届けしていく予定です。

また、このテーマに連動した
🎁 LINE登録特典動画「選ばれるお菓子に必要なポイント5選」
もご用意します。

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